2012年12月15日土曜日

へのへの 出産体験記 当日(1) はじまり

7月2日(月) 40週1日    旧暦5月13日 大安 

佐久間助産院(千葉県 多古町) 助産師:佐久間早苗先生




満潮 2時26分(千葉)



夜中の3時すぎ、お腹から「ポン」という音がして目が覚める。


破水すると音がすると何かで読んだから、あわててトイレに行くと、やはり
「じゃー」という感じで水が出ている。

間違いなく破水だと思い、佐久間先生に電話。


「あの、破水したみたいなんですが」

「そうですか、わかりました。
 それじゃそのうち陣痛が来るでしょうから、しばらく様子を見てください」


・・・・あれ?

だいたい本や体験談だと、破水したら羊水がどんどん漏れて、赤ちゃんが危なくなる
可能性があるから、ふつうは即産院へ行く、と書いてあったけど・・・、行かなくていいの?!


破水したら2時間後に生まれちゃった、なんていう体験談を聞いていたし、
勝手に自分は超安産でスピード出産に違いないと思い込んでいたので(笑)
わたしもすぐ生まれちゃったらどうしよう?!なんて思いつつ、

この道50年、とりあげた赤ちゃんは5000人以上の佐久間先生のいうことだ、

とちょっと不安はあるものの、いちど電話を切る。





するとすぐに陣痛とおぼしき、今までとはまったく違う痛み(かなり強い生理痛のような痛み)が
やってくる。


きたよーいよいよ陣さんだぁと舞い上がってくる私。


すぐ電話。


「陣痛がきました」

「そりゃくるわよあなた。だからしばらく様子を見てください」



「なんかどんどん水も出ているようなんですが、まだ行かなくていいですか?」

「まだまだ。
 水が出てくるっていうことは、まだ頭がちゃんと降りてないということ。
 蓋がされてないってことでしょ。
 こんな夜中に来る必要ないわよ。

 それより今はゆっくり朝まで寝なさい。」



「でもかなり痛いんですが・・・」

「・・・陣痛なんだから当たり前でしょう」


今から考えればバカみたいな電話をしたもんだと思うけど、やはりいざとなると
慌てるもので、、、気が動転していたのがよくわかる(笑)


最後の検診のとき、佐久間先生に

「私は時間や数字は聞かないからね。その代わりに
あなたの体がどういう状態かを聞きます」


とはっきり言われていたのに、
なかなか寝付けないので、痛みがくるごとにおきて つい陣痛の間隔を時計でチェック。、、、


5時くらいには不規則ながら5分おきくらいになる。

「もしやもう生まれるのでは」などとまたかなり見当違いな思いで

また電話(笑)


「なんだかもう5分おきくらいに痛みがあるんですが」

「最後に私はなんて言いましたか?時間は聞かないって言ったでしょう」


「はい。でも・・・」

「あなた、自分に都合のいいふうに考えすぎよ」

ピシャーっと図星をつかれ、、、、


冷静になり、ついに観念(笑)

そうか、今はまだほんの序章で、この痛みをしばらく耐えるのね、と腹をくくる。


「とにかく冷やさないようにね。

 女の体はお餅と同じ。温めればあたためるほど、ふわふわに柔らかくなるのよ」


・・・・
「とにかく冷やさない」

これは妊娠中、再三先生に言われ続けたこと。

「梅雨明けまでは防寒」ということだったので、私は妊娠中はずっと防寒対策。

寝るときは柔らかい素材の湯たんぽで背中から腰をあたたため、
靴下やレッグウォーマーは欠かさなかった。

・・・・



それからなんとなく7時くらいまでは横になりつつ、最後の入院支度準備。
マサキ君も起きてきて朝ごはんを作ってくれたので、8時過ぎに朝食。

食欲はぜんぜんなかったけど、まさに体力勝負になるわけで、
途中「うぅっ」と箸を止めつつ、なんとかいただく。


この時点で、陣さんはかなり強く痛みだしていたけれど、でもまた電話したら
「まだまだ」って言われちゃうだろうから我慢だなぁーーーと思ってると
佐久間先生から電話。


「どうですか、何か変化はあった?痛みはどう?」

「もうかなり痛いです。」


「お尻の方に押す感じはありますか?」

「よくわからないけど、押しているような気もします」


「そうでしょう。あれから全然連絡ないからどうしたかと思ったわよ。
 そろそろ潮時だからね。
 準備して来てください」


やっと行ってもいいのかぁ、とちょっと安心。
このときたしか8時45分くらい。


干潮 8時55分(銚子)


潮を見て電話を下さった先生。これが本当の「潮時」の使い方だぁ、と
のちに感心(笑)


 この日も最高気温は25度くらいだったみたいだけど、靴下は2枚履き、
愛用していたプレゼントでいただいた柔らかい湯たんぽを持って、
いざ車に乗り込む。


マサキ君は万が一、車の中で生まれてしまった時のためにバスタオルを準備。


座席に乗って、湯たんぽを足に挟むと、少し痛みがやわらぐ。


何度も通った道を走りながら、

「あぁついに、ついにママディしゃんに会えるんだ」

そう思うと、なんだか泣けてきて、涙が出てきてしまった。


多古町まで車で約1時間弱。


途中もちろん生まれることもなく、なんとなくドライブで気分もよくなり?
ついに佐久間助産院に到着しました。


つづく



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