2012年5月14日月曜日

妊婦同士のヤクソク

でっかいお腹でよっこらしょっと、ネギの草刈りをしていたら

ふと目の前に、これまた横綱級のでっかいお腹のカエルさん。


「あらーお互いでかい腹で大変ですね、カエルさん」

いつもの通り、ひとりごとのように、話しかけてみる。



しかし立派なお腹ですねぇ、今にもはちきれそう。

私は一人しか入ってないけど、カエルさんは何個の卵が入ってるのかな・・・



なんとなくまじまじと見つめていると、妊婦カエルさんも

じーーーーーーっと私の顔を見ている。


・・・・・・・・


じーーーーーーーーっ



あんまり動かず見つめるもんで、試しに、ツンツンしてみたけど、
やっぱりじーーーーーーっと見ている。。


こんなにカエルさんと見つめ合うのは初めてかも。


なんだか目がそらせなくて、やっぱりじーーーーーっと見つめ合っていると・・・
カエルさんの声が聞こえた。



「ねーえ、あなたもお腹に赤ちゃんがいるし、わたしにもお腹に赤ちゃんがいる。


この地球の未来は、あなたのその赤ちゃんのためにあり、



そしてわたしのこの赤ちゃんたちのためにも、あるのよ。



そのことを、忘れないで欲しいの。




そしてあなたには、そのことを、あなたの仲間たちにも


どうか伝えてほしいの」





・・・・・・うん、わかった。
忘れないよ。



あなたの写真を撮りたいから、カメラ取ってくるまで待ってて。




カメラを向けたら、さすがにお腹を隠されちゃった。

妊婦さんのお腹を撮るなんて、デリカシーなさすぎね、ごめんなさい。


もうカエルさんの声は聞こえず、気づいたら、ピョコーン、ピョコーンと向こうに
行ってしまった。





大根の花が、咲き誇っていた、ある春の日のことでした。

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