2011年11月24日木曜日

答えは自然から

第20回 自然農・全国実践者の会
行ってきました、福岡。

自然農は、自然農法ではないんだな、とまたあらためて確認。
だってどうしたら収量があがるか、利益を出せるか、などという話は
‘一切’でませんでしたし、参加者の誰もそれを望んでもいないわけです(笑)


たくさんたくさん、いろんなお話がありました。



そしてやはり、川口由一さんの言葉が、今回も深く深く心を射抜きました。



3.11以降、初めての実践者の会ということもあり、もちろん
原発、放射能のことも話題になるだろうと思っていました。



しかし放射能の影響を最も受けていない、九州という土地柄もあってか、
その話題はなかなか出ず・・・・・・・・・・・





「問題を招かない生き方」



それが自然農です。


問題の解決ではなく、「答えを生きる」


それが自然農です。


何かに対して、「反対をする」「反対運動をする」
それは正しいことをしているようで、必ず新たに別の問題を招いてしまう・・

それはいい悪いではなく、そういう働きが必ずあるということ。


自然農とはそういう働きをしない、という営みでもあるわけです。


でも実際、今回の原発事故で、自然農農家として、さらには自給生活の
見本とも言える福島のやまなみ農場は被爆。
農場は閉鎖、農場主の佐藤幸子さんは、福島子どものいのちを守る会代表
として国を相手に、世界を奔走されている。

この佐藤幸子さんに異を唱える方は、おそらく一人もいないと思います。


そして一方で、55km圏内の宮城県でまた自然農農家として営農されていた
北村みどりさんは、今回福岡にいらっしゃいました。


田畑を見学しているとき、たまたまみどりさんが
すぐ後ろにいらっしゃったので
思い切って話しかけてみました。


みどりさんは本当に気さくな可愛らしい方で、
やはり自然農の理を深く悟られている方ですから、東電への批判や
恨みつらみも一切口から出てくることはなく、でも現実と向き合い、
あの後も変わらず
田畑に出られているということでした。



土壌はやはり放射性物質に確実に汚染されてしまいましたが、
きちんとご自身で測ってみると、そこにできる作物には、
意外にも汚染は少なく、
30軒あったお客様には一切販売はしていないそうですが、
自分たちで食べていけるだけは作れる、とおっしゃっていました。

そして大声をあげて反対運動をしなくてもいいけれど、
原発に対して、一切関心を閉ざしてしまっていた
自分にもやはり非はあったのよ、とも・・・・

やり方はいろいろあると思うけれど、どんなに小さな声でも
自分の意思表示をすることの大切さを、柔らかくおっしゃっていました。



しかし学びの会場では放射能について、
一切話題に出ないというのはやはり不自然だよなぁ
と2日目夜にもなると、悶々としたものが出てきて、
でもどうしてだろうかと、自問自答を繰り返していました。


最終日には、北村みどりさんも壇上にあがり、今現在どのように
田畑に立っているかというお話をされました。

セシウムは地表に貯まるということがわかっているそうです。

ですが、みどりさんはどうしても‘地表を剥いで、外に持っていく’
ということがいいと思えず、変わらず自然農の理のまま、草はその場に敷き、
亡骸の層を壊すことなく、田畑の営みに沿っているとお話されました。


そこで一人の私たちと同年代の若者が質問をしました。

「地表に貯まるのがわかっていて、どうして外にもっていかないのか。」
「放射能汚染がわかっていて、自然農を続けるという、その根拠は
どこから来るのか。」

たしかそういった内容だったと思います。


竹之内君というその青年は、けして責めているのではなく、
彼の友人が群馬で自然農をしていて、絶望的になっていることがあり
希望の答えを得たいということで、質問されたのでした。



みどりさんは、
「20年間、自然農の田畑に立っていて、それが一番の方法だと思ったからです」

とてもシンプルに答えられました。



そしてその言葉に重ねて、川口さんが




「いのちの世界に‘外’というのはないんですよね」




と本当に、そよ風が吹くように、サラっとおっしゃいました。




外だと思っているのは、いのちの世界からみれば外ではなく
なんの解決にもならない、と。



環境が汚染されてしまった場合、必ず自然が浄化してくれるもの。
自然には浄化する力があるから。
それは人が想像もできないくらい早く、自然に戻っていくもの。
結局、人はなにもしないのが一番。


というような実は当たり前の自然農の理をおっしゃっていました。


でも私はまたまた、目から鱗で。



私も震災後、亡骸の層を重ねるのは、放射性物質を
集めてしまうのではないか・・・・・と一瞬不安がよぎりました。

でもそれは「情報に翻弄されている私」が感じる不安であり、
「自然農の畑に立ち、美しい作物、虫たち、季節とともに
移ろい行く自然の中にいる私」はなんの疑いもなく、草を刈り、そこに重ね、
やはり自然農を続けていました。
その自分の中の不思議な矛盾にも、また腑に落ちることができ・・・・


そして実際に、ガイガーカウンターーで測ったことによって
その不安も払拭されました。



今、微生物に放射能除染効果があるとかいって、EM菌を撒いたりなどという
ことも行われているそうですが、自然農の田畑は、それこそ自然の大地には
無数の数億、数兆の微生物が豊かに存在しています。


自然というのは、全て一体の営み。



どれかひとつの菌だけ有効というのはありえないわけです。



自然の浄化には、それは相応の時間(とき)が必要です。



でも私たち人間には、「問題を招かない」解決は絶対にできない・・・・・・



そのことを深く悟る必要があるのではないか、とあらためて思いました。




問題をつくるのはいつも私たち人間で、



答えを出してくれるのは、いつも自然なのですから・・・・・



講演終了後の川口由一さんと、私たち。ちょっと緊張の面持ち(笑)
間近でお見受けする川口さんのお顔はほんとうに澄んでいて、
まるで弥勒菩薩様のようでした。


田畑の見学などについてはまた後でレポートします。


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汚され 損なわれ 病み続ける地球が

地球上のあらゆる生命(いのち)達が

そうして私たち人間が これ以上に

生命衰えさせていくことなく

浄化を盛んとして 生命寿(ひさ)しく

美しい姿して巡り続けてくれますように

・・・・・・・・・・・・・・


迷いの中の私たち人間が

真の知恵に目覚め

優れた能力よく働かせ

崇高な精神忘れることなく

清くして 心平和に 楽しく

美しい姿して巡りつづけること出来ますように


・・・・・・・・・・・・・・・・


この一書が

天の道 地の道 人の道を見失い

宇宙自然の道 生命の道からはずれ

神仏の親心忘れつつある

私たち人間の足元を照らす

働きしてくれますように・・・・・・・・


「妙なる畑に立ちて」(川口由一)


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